ある時、天井の上で「ねずみ」が走ってる音がした。 ふーん。いるんだ。。。 昭和のマンガに、 天井で運動会してる。って、 貧乏な家の描写があったよなー。 そのまんま。 自分は、それまで、いろんな場所で店子をやってきたけど。 何かあっても大家さんに物申すことはほとんどなかったので。 天井上の事、どうにかした方が良いとは思ったけど、大家さんに相談する事は思い浮かばなかった。 時々、夜の営業時間中で、お客さんがいる時に天井の上から運動会をする音がすると、下から使えなくなったビニール傘でコツンコツンと突いていた。 それは秋口だったけど、春を迎えると一気に増えるよ〜。って友達が教えてくれた。 いわゆる、ねずみ算。 できれば、早いトコどうにかしたかったけど、何をしたらいいのかわからなかった。 初めてのことだったから。 頭の隅に、何となく不安要素として「ねずみ」のことがあったけど。 ある時、更に深刻な問題が持ち上がった。 「羽アリ」 とある春、昼の営業中にお客さんに呼ばれて行くと。 「これ」って、持って行ったご飯を指差してる。 見ると、ご飯の上に何か小さな虫がいる。 ゴキブリか?って心配になったけど、そうではなくて。 羽アリが1つのってた。 そのお客さんが言うには、「上から降ってきた。」 お客さんと自分で顔を見合わせて、天井を見上げると、ちょうど真上にほそーい隙間があった。 どうやら、そこから落ちてきたみたいだった。 そっこーでお取り替えします。って新しいご飯を持って行った。 嫌な思いをさせてしまったので、会計の時、お代はいりません。って言ったら。 そのお客さん、「美味しかったからいいよ!」ってお金を払ってくれた。。 翌日からは、その席をなくして、椅子を片付け、テーブルの上にはお花を置いてみた。 これが学校の教室じゃなくて良かった。。