餌とベッドくらいならなら用意できるかな。って思い、 自分とこの店の隅に、毛布を敷いたダンボールを置き、チビを案内してみた。(冬だった) 飲食店的に猫はあまり宜しくないかもしれないけど、その頃既に猫カフェとかあったから、この際やむなしだった。 後から知ったけど、猫のベッドは、小さくてもいいからお鍋が良いんだって。 理想を言えば、土鍋。 丸まって寝れるから。 猫好きの人から教えてもらった。 で、その時。 「チビ」は頑張ってそこに馴染もうとして、何回かダンボールを出たり入ったりしてたけど。 結局、「無理」って顔して店の裏口から出て行った。。。。 カラーボックスの下の段も、何気にスクエアなのに大丈夫でも、ダンボールじゃダメみたいだった。 それからは、どこに住んでるのかわからなかったけど、昼間に「その辺」でチビ見かけることがあった。 でも時々、「やっぱり」ってチビは戻って来る。 階段を少し上がっただけなのに。。 いつの間にか、ホウキを振り上げた、几帳面なおっさんが仁王立ちしてて、怖い顔して2階から見下ろしてて。 そこから上へ上がるのは無理!を醸し出してた。 テレビは大音量じゃないとダメなくせに、 チビの気配はとっさに感じとって、階段の下から2,3段くらい上がっただけでも飛んでくる。 おっさんも生きるのに必死だったんだろ。 しばらくの間は、近所でチビを見かけてたけど、なんとなくいなくなった。 後からお向かいの人に教えてもらったのは、 チビを、いなくなったおっさんに世話してあげた人:、通称: 猫の人が近所に住んでて。 その人がまた引き取ってくれたんだって。 良かった。。 その「猫の人」は、「欲しい」っていう人に猫をあげてて、 別の近所の人は、動物病院に猫を連れて行き&自前で費用を払って不妊手術を受けさせてくれてた。 そうやって、その町の猫事情が成り立ってた。 猫が路地裏を歩く。そんな光景をよく見かける町だった。 どいつもこいつもオドオドした様子はなくて、のんびりその辺を徘徊してる。 路地を通りすがる女子は、しゃがみこんで写真を撮ってる。 「カワイイ❤︎」 他所からの流入組が多い町なので、孤独なおっさんたちが多かった。 そんなおっさんたちも、そこいらの猫に癒されるらしく、やたらカラダを触ろうとする。 (オイオイ!) ま、猫たちは、とーぜん全力で無視&疾走。 春先になると、猫の喧嘩の声がよく聞こえた。 「うぎゅ〜」「ぎょー」 そんな応酬を何回かすると、大抵、「どすっ。ガラガラ。」周りの物にぶつかりつつ。 *1 そんな音を発しながら、喧嘩してる。 その音を聞くと。そろそろ春が来るんだなー。てすこし明るいお気分になったっけ。 だいたい3月頃だったような。。 自治体が作った 猫の不妊・去勢手術は飼い主の責任です 町のあちこちにぶら下がってた看板が妙にしっくりくる。 猫が路地を歩いてる姿は微笑ましい。 けど 高級住宅街では、徘徊している猫を見かけることがあるだろうか? と、考えることがあった。 あまり想像できなかった。 この微笑ましい光景は、繁華街の端にある、独特なロケーションが大いに関係していると思ってた。 地元民が少ない町。 どこからかやって来て、ここに居る。 流れ着いた? 実際、町の隅にある高架下に、ダンボールに寝泊まりしてるおっさんたちも、 徘徊猫と同じくらいの数居た。 その高架下は、いつも静かに人が寝てるけど、 たまに、全然人がいなくなる時があった。 ダンボール寝具も、身の回りの物も、何にもなくて。 コンクリートのみ。 一掃された?どこに行くんだろ?? 何にもないけどオシッコ臭くて、よく見ると、足元のコンクリートのあちこちに染みがあった。 そこで横になってた: 今までの人たちの記憶というか記録というか。。 その繰り返しが定期的にあって、流れ者の整理がされてるようだった。。。

*1:点々のつく「が」とか「ざ」とか「ぎ」とか「ぢ」から始まり、「〜」で完結する