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自分が借りてた古民家=1階店舗&2階アパート物件がある町は、繁華街に隣接してた。
なので、そのへんに住んでる人は、夜の繁華街にお勤めの方だったり、外国人だったり。
もとから地元!って人は少なかった。
昔は閑静な住宅街だったらしく。
町のところどころに超趣味を極めたような専門店があった。
お店=家主さんで。
その人たちが好きでやってるお店だったので、ひとつひとつが「濃ゆい」かった。
コンビニは少なく、生活感のあるお店は少なかった。
それでも、本屋さん、文房具屋さん、お豆腐屋さん、スーパー、ちょっとした定食屋さん。
それに、スナック(二階のおっさん達御用達)。
など、ポツポツとお店はあった。
が、隣町が繁華街だと、人はそっちでまとめて用事を済ませるみたいで、時間と共に町が衰退していくのを感じた。
本屋さんだったり文房具屋さんなんかは、気づいたらなくなってた。
突然できた更地の横を通り過ぎる時、
こないだまで、ココ、何屋さんだったっけ?
すぐには思い出せなくて、しばらく考えて、「あ''〜っ」て
ぼんやり浮かんでくる。
かつての佇まいが。。
だけど、アレって何屋さんだったんダロ。。
なーんとなくある飲食店諸々は、地元に住んでる人間が通う、気心の知れた店が多かった。
その日の気分で食べたいものが食べられる。
という店ではなく。
どちらかというと、
常連さんが好きだから用意している。
という品揃えのお店。
多分、その常連さんたちは、別の町に引っ越したら、
もうその店には足を運ばないんだろうな。て雰囲気のお店。
で、
そんな町にある自分の店の大家さんといえば。
敷地内には同居はせずに、その町からずっと離れた閑静な住宅街に住んでた。
自分が借りてる間は、ほとんど見回りにも来ず。
結局、最後まで顔を合わせた回数は片手くらい。
そのほとんどが更新の時くらい。
面倒なのか、信頼されてたのか。。。
顔を合わせないのは、気が楽だったし。
特に問題もなかった。
何年か経ち、
二階のおっさんたちの家飲みや麻雀大会もだんだん回数が減ってきたな。って感じるようになった頃。
チビと住んでた大雑把なおっさんが、「公団に当たったから」って、急に いなくなった。
2階に住んでた頃は、同居と言いつつ実際は、廊下に置かれたカラーボックス=靴箱下の段にチビの寝床があって、
百均の猫缶を1日2回あげてるだけだったから、
じゃ。って簡単にいなくなった。
隣のおっさんに、猫をよろしくな。って言い残して。
大雑把なおっさんがいなくなったら、
2階の
宴会の声や
麻雀大会のジャラジャラや
「うぉ〜っ」ていう叫び声や
誰かが後ろにひっくり返ってるだろう「ドスン」という天井越しの振動や、
階段を降りる重たいひずんだ音がしなくなった。
テレビの大音量だけは相変わらず健在だったけど。
で、「よろしく」って言われても、1日2回の猫缶の出費は、残った几帳面なおっさんには無理だったみたいで。
チビはすぐに2階から追い出された。